前頭葉の損傷と傷害

前頭葉の損傷と障害

(1)前頭葉の役割

 前頭葉は、人が行動を開始し、または抑制する機能を司ります。さらに、生活をする上で必要な情報を整理、計画して処理・判断することも前頭葉の役割です。加えて、自己を客観的に捉えることや感情を持つこと、言葉を発することができるのも、前頭葉が機能しているからです。

(2)具体的障害

①遂行機能障害

 論理的に考え、計画し、問題を解決し、推察し、そして行動することができない状態、また、それらを評価・分析できない状態を指します。作業の取りかかりが遅い、指示されたこと以外のことができないといった症状がみられます。

 脳が損傷する以前と比べて時間の見積がうまくできない、物を使用する際に工夫ができない、行動の先読みができない場合、遂行機能障害が疑われます。

②易疲労性

 脳に損傷を負うと発症間もない時期(急性期)に易疲労性があらわれることがあります。急激な睡魔におそわれる、常に疲れやすい状態にある、といったのが具体的な症状です。

 この易疲労性は肉体的な疲労ではなく脳の損傷を原因とする精神的な疲労であることに特徴があります。

③意欲・発動生の低下

 前頭葉機能が低下すると起こる症状の一つで、行動する意欲が湧かない、自分から積極的に行動を開始できないといった状態のことをいいます。

 より具体的には、動作や会話を自分では始められない、発案できない、他人に対する無関心、といった症状が見受けられます。

④脱抑制・易怒性

 前頭葉が損傷すると、身体の動静や感情を抑制することが困難な状態に陥ることがあります。これは「脱抑制」または「易怒性」といって、脳内の器質的変化により生じるものです。

⑤注意障害

 脳に損傷を受けた後に、表情の変化に乏しい、集中力が持続しないといった症状がでます。これを注意障害といいます。

 注意には特定の事象に対する集中及びその持続の他、さまざまな刺激から必要なものを選別する能力も含まれています。注意や集中力は脳幹と前頭葉の両方によって支えられています。そのためどちらかが損傷しただけでも、注意・集中力が損なわれることから注意障害が生じます。

⑥非流暢性失語

 前頭葉の左側が損傷した場合、非流暢性失語が生じることがあります。非流暢性失語は、事故によって前頭葉の左側が損傷することを原因として、普通に話せなくなった状態のことです。

 言葉を発する機能を司る前頭葉が損傷しているため、本人が努力しても話がつっかえ、しゃべり方も遅く、リズムや抑揚に乱れがあるといった症状がみられます。

 他にも普通に話せなくなる症状として、顔筋の神経性麻痺を原因とする構音障害や、精神的ショックから声が出なくなる失声症がありますが、前頭葉の損傷を原因とする非流暢性失語とは異なりますので注意してください。

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