入院個室代

入院個室代(差額ベッド代)とは

桑原弁護士

 一般に、入院部屋には、6名程度が利用する大部屋(普通室)と、1名(から4名程度)で利用する個室(特別室)とがあります。

 入院の際、大部屋の利用には健康保険が適用されますが、個室を利用する場合は、別途個室代(特別室使用料)が発生します。

 この個室代は、健康保険が適用されずに全額自己負担しなければならず、大部屋使用料との差額費用が発生することから、「差額ベッド代」とも呼ばれています。

 厚生労働省通知(保医発第0328001号等)では、個室は次の要件を満たすものとされています。

  1. 病室の病床数は4床以下であること
  2. 病室の面積は1人当たり6.4平方メートル以上であること
  3. 病室ごとのプライバシーの確保を図るための設備を備えていること
  4. 少なくとも個人用の私物の収納設備、個人用の照明、小机等及び椅子の設備を有すること

 個室代は、病院や設備(トイレ、風呂等の有無)などにより様々で、日額1,000円程度のところから、2万円を超えるところまであります。

賠償すべき損害と認められるには

 個室代が賠償すべき損害と認められるには、個室を利用する特別の必要性があることが認められなければなりません。次のような場合には、個室利用の必要性が認められやすいです。

  • 医師の指示がある場合
  • 個室を利用しなければならないほど症状が重篤である場合
  • 感染症罹患防止の必要がある場合
  • 大部屋の空きがない場合

 前記厚生労働省の通知では、患者本人の「治療上の必要」により特別療養環境室へ入院させる場合として次のような例示がされており、参考になります。

  • 救急患者、術後患者等であって、病状が重篤なため安静を必要とする者、又は常時監視を要し、適時適切な看護及び介助を必要とする者
  • 免疫力が低下し、感染症に罹患するおそれのある患者
  • 集中治療の実施、著しい身体的・精神的苦痛を緩和する必要のある終末期の患者
  • 後天性免疫不全症候群の病原体に感染している患者(患者が通常の個室よりも特別の設備の整った個室への入室を特に希望した場合を除く)
  • クロイツフェルト・ヤコブ病の患者(患者が通常の個室よりも特別の設備の整った個室への入室を特に希望した場合を除く)

 上記に当てはまらず、相手方保険会社に賠償してもらえない場合(あくまでも本人の希望で個室に移った場合など)でも、被害者加入の保険会社の約款次第では支払いを受けることもできるので、一度弁護士に相談されることをおすすめします。

差額ベッド代についての裁判例

 大阪地裁平成3年1月31日判決は、四肢麻痺の重傷を負った被害者について、独立しての社会生活が全く不可能でありトイレや入浴設備が身近にある個室入室は当然必要不可欠として、治療期間について、1日あたり2万円の入院個室代を認めました。

 大阪地裁平成25年3月8日判決は、パニック症候群により周囲に危害を加えることがあったので、他患者の安全を守るため個室の必要性が認められるが、医療上の必要ではなく被害者の個人的事情であることなどから、個室料についてはその5割を相当と認めるとしました。

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